「サザエさんで有名な長谷川町子さんがほぼ毎日、欠かさず食べていた南国のフルーツは何?」
こんなクイズが出たら、ずっと正解が気になるのではないでしょうか。あの長谷川町子が。あんな顔した長谷川町子が、見た目が怖いあのフルーツを、昭和の時代に毎日むしゃくしゃと食べていたなんて。いや、長谷川町子の顔は知らないけれど。
お気に入りの博物館や美術館に行った時、「この空間を全て部屋に持ち帰りたい」と考えたことはありませんか。しかし、家に帰ると北向きで薄暗い六畳一間のマイハウスの現実。どちらかというと、博物館の中に自分の部屋を入れてしまう方が楽でしょう。
最近は写真OKな博物館や美術館が増えましたが、写真にも限界があります。すべてを持ち帰るのは不可能だけど、感動の象徴だけでも家に持ち帰りたい。それを実現できるのがミュージアムグッズなのかなと、大澤夏美著の「ミュージアムグッズのチカラ」を読んで思いました。
本書では「三度の飯よりミュージアムグッズが好き」でおなじみのミュージアムグッズ愛好家のNatsumi Osawa さんが厳選した印象的なミュージアムグッズ50種類以上を「かわいいを楽しみたい」「感動を持ち帰りたい」「マニアックを堪能したい」「もっと深く学びたい」にジャンル分けして紹介。そして、ミュージアムグッズのチカラとは何か?を考えるミュージアムショップ担当者のインタビューも掲載。なぜこのようなミュージアムショップやグッズなのか、という経緯や想いを知ることができます。
恥ずかしながら私は今までミュージアムショップに行った時でも「いろんな商品が並んでるなぁ」ぐらいの平坦な感想しかありませんでした。しかし本書を読み終わると、ひとつひとつのグッズに、意味や思い、願いが込められてることを知り、グッズに対して多層化した気持ちを持つことができるようになり、ミュージアムショップの滞在時間がかつての5倍増えました。
ちなみに冒頭のクイズの答えは「ミュージアムグッズのチカラ」P53に記載してるので、ぜひ確認してください。意外すぎる答えに、長谷川町子に対して、多層化した気持ちを持てるのかもしれません。