店内に入るとすぐに「ムルギーランチ?」と聞かれる。席に座る前に。GoogleMapsの口コミで予習済みの僕は「はい!」と答える。
この店のランチは基本、ムルギーランチのよう。おそらく他のメニューもあるようだが、GoogleMapsのクチコミによると、ムルギーランチを食べておけば良いらしい。他の客にも座ったらすぐに「ムルギーランチでいいね?」と聞いていた。中には「ムルギーランチ、大盛でいい?」と聞いた客もいて、常連客なんだろうか、と思った。
店内は4人席が5、2人席が2ぐらい。二階もあるようだ。
すぐにカレーが出てくる。体感は5分。
カレー、黄色いご飯、骨つき鳥、キャベツ、すりつぶしたじゃがいも、グリーンピース。キャベツとじゃがいもが珍しい。
「オマタセシマシタ」カレーがテーブルに置かれる。
すぐさま、店員さんがナイフとフォークを取り出す。何をするのか?店員さんは軽やかな手つきで、骨つき鳥から、ナイフとフォークを使って、骨を外す。卓越した書道家が墨をするように軽やかに。
骨は下げられる。なるほど、骨から肉を取る手間がないのだな。
まずは肉を食べる。柔らかい。よく煮込んであるのだろう。次にカレーを食べる。普通よりやや辛いと思う。そして黄色いご飯を食べる。そうすると、どこからともなく声が聴こえる。
「マゼタホウガイイヨ」
僕は顔を上げる。「ムルギーランチ?」と聞いた店員さんだ。カタカナ語で聴こえた言葉はよくわからなかったが、
「ホラ、アノムカイノオキャクサンノヨウニ」
と言われてわかった。カレーとご飯を混ぜるのだ。顔を上げ、向かいのお客さんのカレーを見ると、確かにカレーとご飯を混ぜて食べてた。
「マゼタホウガオイシイヨ」
「わかりました」僕は言った。
「ゴメンネ、ヨケイナオセワデ」
「いえいえ」と僕は言った。「ありがとうございます」
軽やかな定員さんが定期的に席に来る。水をずっと注ぎに来ているのだ。10%しか減ってないグラスに20%の水を注ぐので、110%になる。来た時より増えてるじゃん。
ムルギーランチは1500円。「ランチ」とつくからドリンクやサラダなどあるかなと思ったが、それはなかった。しかし、それはしょうがない。
このお店は店員さんがお客さんによく話しかける。きっと常連なのだろう。フレンドリーなインド人と触れ合える店だ。僕がいた時は客が店員さんに携帯の機種選びの相談をしていた。なぜ…
銀座では有名なカレー屋らしい。フレンドリーなインド人に囲まれてカレーを食べたい時はぜひナイルレストランへ。