2014年8月30日(土)、31日(日)に苫小牧駅前娯楽場パーク特設ステージで開催された苫小牧初の無料フェス「活性の火’14」に参加した。本記事では2日間参加した私の感じたことをレポートする。正式、詳細情報は「活性の火’14」公式サイトをご覧ください。
「活性の火’14」のチラシです。
札幌から1時間10分の場所にある苫小牧
札幌から苫小牧に行く手段はさまざまである。私は電車が好きなので、普通列車で1時間10分かけて苫小牧に向かう。会場は苫小牧駅から近いので、札幌からの距離はJOIN ALIVEよりも近いかもしれない。
普通列車で苫小牧に行く機会がなかなかないので、このようなレアな駅を見たりした。
札幌市民がなかなか来ないレアな駅! pic.twitter.com/XN9EyoxNeI
— 赤沼俊幸 (@toshiyuki83) 2014, 8月 30
会場までの手厚いナビ
「活性の火’14」の会場は「苫小牧駅前 娯楽場パーク特設ステージ」という名前だ。その名前を見ていたので、「会場はまぁたぶん、駅前なんだろし行けばわかるだろう」と思い、特に地図で調べないで向かった。苫小牧駅の改札を通ると、あらゆるところに案内板・表示があり、アクセスへの手厚さを感じる。こういうのは嬉しい。スタイリッシュにさりげなくしか案内を載せないようなイベントがたまにあるが、「苫小牧駅前 娯楽場パーク特設ステージ」という場所は多くの方が初めて行く場所だろうし、案内はしつこいぐらいでちょうど良いと思う。ということで、しつこいぐらいの案内を紹介する。
会場の様子
会場の雰囲気
ステージがあり、食べ物・飲み物屋、椅子とテーブル、トイレがあるといういたってシンプルな会場だった。シンプルで良いのは「街中にあるから」というのがある。もし必要なものがあれば、会場外で買えば良い。この会場で問題ないと思う。しかし、ご飯には問題を感じた。
ご飯の種類が少ない。心踊るメニューが少ない
「活性の火’14」が無料のフェスということで、「収入源はおそらく出店だろう」という考えの元、出店でお金を使うような気持ちでいたが、ご飯の種類が少なかった。お好み焼き、焼きそば、ホットサンド、唐揚げ、焼き鳥、海鮮飯…。
一緒にいた人とも話したのだが、「活性の火’14」は町の盆踊り大会とフェスが融合したような「圧倒的な縁日感」を感じた。前述したご飯の種類を含めて縁日感を感じた
ご飯の種類が少ないというのは出店の数が少ないという面積的なものがあるので、しょうがないと思ったのだが、正直なところ、心躍るメニューがなかった。一緒に行った人が「フェス的なメニューを期待していたけど、ない…」とこぼしていたのもかなり同意した。
「苫小牧に来たから食べたい」という非日常感を感じるメニューがなかった。会場のお店でお金を使うつもりで来たのだが、どこでも食べられるようなものばかりで、「苫小牧的なものを食べたい」という気持ちのほうが強く、結局、別場所でホッキカレーやカレーラーメンを食べてしまった。
ホッキカレー! (@ カフェ駅 in 苫小牧市) https://t.co/GfjhY43s7T pic.twitter.com/EMrpfo7S5H
— 赤沼俊幸 (@toshiyuki83) 2014, 8月 30
苫小牧名物カレーラーメン! (@ ラーメン ふたば家 in 苫小牧市, 北海道) https://t.co/f76rJw9c3W pic.twitter.com/0Iehm0icQf
— 赤沼俊幸 (@toshiyuki83) 2014, 8月 30
もし運営の方がこの記事を読んでいたら、次回はぜひ苫小牧っぽいもの、変わったものを出すようにお店に働きかけてほしい。
例えば、RSRでは「RSRではイチゴ削りを食べないとね!」みたいな名物や風潮があり、「活性の火」も看板メニューを作ったほうがいいと思う。
ステージ
トイレ
基本的には仮設トイレが4個。「並ぶのでは?」と思ったが、結果的にはほとんど並ばなかった。一番並んだときでも5人ぐらいだった。今回の参加人数では4個で大丈夫であった。手を洗う場所がないので、ウェットティッシュなどを持参する必要がある。
ダンボールアート
謎のダンボールアート。「アーチになるのでは?」という声もあったのだが、これで完成だった。ちなみにイベント開始直後はダンボールがほとんど何もなくて、数時間ごとにダンボールが運ばれ、徐々にこの形になっていった。
ライブレポート
印象に残っているライブを記述します。
向井秀徳
「活性の火’14」を知り、「活性の火’14」に行こうと思った決め手は向井秀徳が出演するからであった。
今の自分にとって、一番好きなミュージシャンは向井秀徳。今年のRSR2014に向井秀徳もZAZEN BOYSも出演しなかった。RSRで「最高」と言えない自分がいた。そんな心の隙間を埋めるべく、「活性の火’14」に行った。
他のライブをやっていたミュージシャンに申し訳がないが、1つか2つ前のライブの裾から向井秀徳がチラチラ見えたときはもうすでに興奮状態だった。カッコ良すぎる…。「活性の火’14」の2部からライブステージにいたので、向井秀徳のときは最前列で見れた。
「向井秀徳アコースティック&エレクトリック」はアコースティックギターと、エレクトリックギターを駆使し、エレキのときはサンプラーを使い、多重録音も行われるが、今回はアコギ一本での登場だった。
向井@苫小牧
crazy days crazy feeling
young girl〜
delayed brain
water front
zegen vs undercover
tattooあり
はあとぶれいく
守ってあげたい(ユーミンカバー)
che.rr.y(YUIカバー
— digzero (@tmgerb97) 2014, 8月 31
単に自分が忘れているだけかもしれないが、向井秀徳アコエレの「ZEGEN VS UNDERCOVER」は聴いた記憶がなかったので、感激した。「守ってあげたい」でラストかと思い、ここまでは想像がついていたが、「時間があるのでもう一曲やります」と「CHE.R.RY」を歌ってくれたのは感激。RSRで聴いたことはあったけど、やはり嬉しい。
向井「苫小牧の石垣水産というところで毎年カニを二、三杯買っておりまして…注文した次の日には届くという それで今回このフェスに呼ばれたのだと、私は確信しております、苫小牧シティ」
— digzero (@tmgerb97) 2014, 8月 31
RSRでも空いていた心の隙間は向井秀徳アコエレのライブを聴いて、埋めることができた。
「RSRで北海道の夏が終わった」という人がいて、僕もまぁ大体そういうふうに思っていたけど、活性の火に参加して、本当の北海道の夏の終わりは活性の火だったんだということに気づけて心から良かった。すっきりした気分で秋を迎えられる。次は秋のTOBIU CAMPだね
— 赤沼俊幸 (@toshiyuki83) 2014, 9月 1
NOT WONK
「活性の火’14」一日目の8月30日は12時から開始した。実行委員長の話から始まり、苫小牧市長も登場。苫小牧市・苫小牧駅周辺を盛り上げたいという熱弁が聴けた。奇しくも苫小牧のサンプラザ「egao」というところが終わる日だったらしい。
開始の挨拶が終わると共に一つ目のアーティストの演奏がスタート。NOT WONK。
後のMCでわかったのだが、NOT WONKのギター・ボーカルは「活性の火’14」のスタッフも務めていて、このステージを一緒に作り上げたそうった(他のメンバーもそうかもしれないが、未確認)。バンドのメンバーも一緒になって、作り上げるフェス。いい。
MADISON SQUARE GARDEN
メタルやハードロックがわからない自分でもカッコよく思えた。特に、金髪のボーカルのお兄さん、カッコよかった!!
KATSUO
ベースが良かった。音楽も良い。
my bird warms a blanket for Colette
世界観固まって、完成度高くて良かった。ドラムボーカル女性というビジュアル良いし、すぐ売れそう。来年、JOIN ALIVE出てると思う。
FREE KICK
去年、TOBIUCAMPで見たことを見終わっていたから思い出した。音楽はカッコ良かったのはもちろんだが、ライブを盛り上げる技術が素晴らしかった。会場中を回る人たちは初めて見た。
苫小牧フェス楽し過ぎかよ…これで無料なのかよ…なんてイイ街だ!!! #活性の火 #FREEKICK #FOLKS pic.twitter.com/cNDzJgqeSi
— るみ@まろにー▷9/20FOLKS (@xx4good2badxx) 2014, 8月 30
フリキでの馬が神々し過ぎる件 #活性の火 pic.twitter.com/TArq0zYaDl
— るみ@まろにー▷9/20FOLKS (@xx4good2badxx) 2014, 8月 30
無料のフェス
「活性の火’14」は無料のフェスである。会場の設営費も、ミュージシャンを呼ぶお金もかかるだろう。どうして無料でできるのだろうか。どうして無料なのだろうか。実行委員会のブログにその答えが書いてあった。
○なぜ無料にしたのか?
駅前中心街の活性を訴えかけるイベントとして「活性の火’14」を発案しました。
「まちなかに活性の火をともせ」というスローガンには、我々が中心街に抱く並々ならぬ想いを重ねています。にぎわい創出も大きな目的ですが、市民のみなさま(もちろん市外のみなさまにもですが)に中心街の活性に関する取り組みを知ってもらうことも重要な目的です。
たくさんの方々に、その中でも特に若い世代に、中心街に遊びに来てもらうためには何をすれば良いか?その一つとして、規模も大きめで、とにかく楽しめる野外音楽フェスがあったら良いなと思いました。
しかも入場は無料にして、誰でも簡単に来れるんだったら、地元自慢のお祭りになるかもしれない。そして地元の若い世代に夢やキッカケを与えることができるかもしれない。
そんな希望を込めて、活性の火は入場無料としています。
もちろん、無料だと普段はライブなどに来れない身近な人達にも勧めやすいだろう、という事も考えました。
私は正直なところ、苫小牧についてはあまり知らない。苫小牧という街の状況についてもよく知らない。
ただおそらく。札幌を除く、北海道の都市の駅前はシャッターが目立つ商店街があったり、錆びれていたり、人気がないところが多い。車で行くような郊外が発展しているケースが多い。人口が減っている都市も多い。苫小牧もきっとそうではないのだろうか。
苫小牧で生まれ育った人でも、大きくなると、札幌やその他の都市に行ってしまう。行く人はいいかもしれない。しかし、残された人の気持ちーー。
おそらく、そういう都市事情が背景にあり、もっと苫小牧を盛り上げたいという人たちによって開催された「活性の火’14」。私はより応援したいと思った。
タイムテーブルがないフェス
「活性の火’14」はなんとタイムテーブルが存在しないフェス。直前も公式サイトを確認したが、順番は書いていなかった。
僕の目当ては二日目の向井秀徳だったため、正直なところ一日目の出演アーティストの並びはどうでも良かったのだが、やはり気になる。次のバンドが出てくるまで誰かわからないまま待っているフェスなんだろうか…
会場に着くと、以下のタイムテーブルらしきものを発見できた。
活性の火14、着いた!本当にタイムテーブル発表しないんだ… pic.twitter.com/Sf1ksU5mHV
— 赤沼俊幸 (@toshiyuki83) 2014, 8月 30
どう解釈すれば…
- 今日(8/30)の一部出演アーティストであることはわかる
- 各バンドの演奏時間がわかる
- この並びが出演順番と捉えていいのか?
問題は最後のところで、このアーティスト順番は50音でもないし、演奏時間順でもない。となると、出演順なんだろうか?
ちなみに数バンド終わってからタイムテーブルらしきものを見に行くと、下記のようになっていて、これが出演順を含んだタイムテーブルであることが明確になる。
「活性の火’14」というフェスはこのように、事前に出演時間がわからず、会場に行き、直前でタイムテーブルを見て楽しむフェスであることがわかった。他のタイムテーブルも載せておきます。
なぜタイムテーブルを発表しないのか?
多くの人はタイムテーブルを見て足を運んだり、スケジュールをたてたりします。タイムテーブルがあったほう参加者にとっては便利です。なぜ「活性の火’14」はなぜタイムテーブルを発表しないのでしょうか?
私がTwitterを見た限りでは、「活性の火に行きたかったけど、タイムテーブルが公開されなくて、お目当てのアーティストがいつ出るかわからなくて、結局行かなかった」というようなツイートがいくつかありました。
疑問の答えは実行委員会のブログにありました。
○なぜタイムテーブルを発表しないのか?
先にも書きましたが第一に地元アーティストを見て欲しかったので、今回は地元中心の内容としました。
ならびに中心街のにぎわい創出のためのフェスなので、出来る限り会場や付近施設で遊んでいっていただけるよう、あえてタイムテーブルは伏せることにしました。
無料だからといって、見たいアーティストだけ見て帰るようなマナーを助長するフェスにはしたくありませんでしたので、地元飲食店による出店も用意し、長く滞留できる会場作りも考えました
長く滞留してもらい、地元アーティストを見て欲しかったため、あえてタイムターブルを発表しなかったということです。「見たいアーティストだけ見て帰るようなマナーを助長するフェスにはしたくありません」というのも大変意欲的です。
この狙いは成功したのだろうか。
捉え方はさまざまだろう。前述のとおり、そもそも来なかった人がいたので、そのような方には響かなかったと思う。そもそもそういう人たちに趣旨が伝わっていなかったという課題点はある。
私は他のミュージシャンもいくつか見た。その中でまたライブを見てみたいと思うミュージシャンがいくつもいた。
実行委員はボランティア
最後に。「活性の火’14」実行委員の方々、素晴らしいフェスを作っていただき、本当にありがとうございます。次回、何かお手伝いできることがあったら協力します。来年も楽しみにしています!!
「活性の火’14」の実行委員の方は皆、ボランティアとのことである。少し長いですが、実行委員長のブログを引用し、本記事を終わる。
でも一番最初に伝えたいのは、実行委員のみんなへの感謝の気持ち。 知って欲しいのは、実行委員のみんなが僕に力を貸してくれて、活性の火が実現したという事。 誰か一人でも欠けていたら、この2日間は絶対に実現できなかった。
まだまだ顔も合わせて日が浅いのに、まちなかで大きな音楽フェスをやりたいから手伝ってくれ、なんて言われて、誰一人イヤな顔もせず、今日まで僕のわがままに付き合ってくれました。
実行委員のみんなだってボランティアなんです。 僕はみんなが見ていないであろう、実行委員たちの姿を身近で見ています。 会議やら下準備やら、各々仕事中なのに無理矢理駆け付けて、片付いていない仕事は後回し、夜中まで残業してこなして… 開催一週間前あたりは、僕よりみんなの方が寝てないと思います。 なのに誰一人、一言も文句は言わなかった。
精神的にも、体力的にも、本当に助けられました。 こんな仲間を持つ事が出来て、僕は恵まれています。
でもなにより嬉しかったのは、活性の火のことを我が子のように大切に思ってくれた事。 みんながそういう気持ちを持って運営していることが、このイベントの強さなんだと思います。 本当に、良いチームです。 苫小牧にはまだまだこんなにアツい魂を持った人達がいることを、もっと知って欲しいし、伝えたい。