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クリスマスと正月、アレンジの文化

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約4分

クリスマスと正月、アレンジの文化(日本文化論で使用)

 再び来日した外国人の友達を僕は家に招待するように計画した。彼はクリスマスの直前に来日した。12月24日クリスマス・イヴの日、彼と一緒に外へ出ると、街中にカップルが多いことに彼は驚いた。彼の国でのクリスマスは家族で過ごすものだという。だが、彼は日本にもクリスマスの習慣があることに喜んでいた。

 大晦日になると、彼と一緒に大掃除をし、日が暮れると、僕の家族と一緒に紅白歌合戦を見ながら、年越し蕎麦を食べた。そしてテレビを見ながら、カウントダウンを行った。

 一夜明けて朝はお雑煮を食べた。初詣に行くため、地下鉄に乗って円山駅に降り、混雑の中、北海道神宮へ足を進めた。彼は家先につるしてある飾りに目がいったようだった。あれは正月飾りといい、新しい年が良い年であるようにと願いを込めたものだ、と説明した。古来からの伝統を刻み、各家々で神を祭る大切な行事として、古風な表現法で伝わっているものだと。

 混雑する北海道神宮に着くと、お賽銭箱にお金を投げ、願い事をした。彼も同じようにした。おみくじを引くと、僕は吉で、彼は大吉だった、僕が説明するとたいそう喜んでいた。

 日本の正月を楽しんでる様子だった彼だが、家に帰ると、疑問を持ったようだった。なぜ日本人はキリスト教の祝祭であるクリスマスを祝い、初詣ではキリスト教以外の神に祈りを捧げるのかと。日本人はいったい何教なのかと。

 日本人は基本的に無宗教なんだよ、と答えた。もちろん中には仏教、キリスト教、神道の人もいるけれど。一見、外から見ると宗教的なことも日本人は宗教という枠を超えて、行事として消化している。クリスマス、子どもはケーキが食べれて、サンタクロースにプレゼントをもらえる日であり、カップルにとっては大切な日である。初詣という祈りを捧げる宗教的なことに関しても、お正月という古来からある伝統の行事の一部に消化している。

 日本はどこしれず他国の文化を取り入れることが得意なのである、と。江戸末期まで一部を除いて鎖国していた日本だったが、鎖国を解き、文明開化と謳ってからはちょんまげを辞め、「ザンギリ頭」と呼ばれる髪形にしたり、洋服を着るようになったりと、文化吸収への意欲は驚異的だった。戦後には肉も食べ始めた。

 また、独特にアレンジする、悪く言えば都合のいいようにアレンジするのが上手いのである。行事で言えば、女性から男性に愛を告白する日になったチョコレートを送るバレンタインデー。今では日本食のようになっているカレーライスやラーメン、パンやパスタ…。

 古いお寺や建物、着物なども、もちろん日本文化だけど、これが日本文化だよ、と僕は胸を張って言えない。なぜなら、その時代に僕は生きていない。今の時代の日本、何でも自国流にアレンジする、これが日本文化なんだよ。

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過去にFC2ブログで運営していたブログ「大学生レポート書き方・作成サポート」の文章を#AKANUMAに移転した文章です。

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